癒しと百鬼丸

画像:熊野市育生町の大丹倉という断崖絶壁

癒しのセルフワークをしている時
潜在意識の領域の癒しになると
向き合うのが
本当に辛く苦しい時が、度々あります。

時には
呻きながら
息も絶え絶えになったり
ダラダラと重苦しい状態が
幾日も続く事もあります。

先日も
何度もエゴにコントロールを奪われながらも
獣のように呻きつつ
涙や鼻水を流し
ひたすら感情を感じる作業をしていた時、
ふと百鬼丸を思い出しました。
というのも
僕の癒しのプロセスと百鬼丸の戦いは
ちょっと似ているのです。
百鬼丸とは?

 

癒しと百鬼丸の共通点

百鬼丸は
奪われた身体の48箇所を取り戻すために
魔物と戦います。

魔物を倒し
奪われた身体の一部が
戻ってくる時、
グァ~とか言って
すごく苦しむのです。

そしたら
その後、失われた目や腕が戻ってくるのです。
そしてその後
やったぞ~!って喜ぶのです。
そこが
僕の癒しのプロセスと似ているのです。

癒しのプロセスでは
エゴは魔物のような働きをします。

エゴは危機的状況になると
(=ネガティブな感情で満たされると)
ネガティブな感情を打ち消そうと
ありとあらゆる思考活動を繰り広げます。

例えば
誰かを批判したり
自分を責めたり
過去を悔み
未来を憂い
自らの境遇を嘆いたり
自分を納得させるために
ポジティブな側面を見つけようとしたり
今の状況を変えるぞ!
と決心したり・・・

でもそれは
全部エゴが作り出した、
まやかしの世界を舞台に繰り広げられる物語なのです。
まやかしの世界に生きている限り
葛藤や、せめぎ合いは繰り返され
真実を見ることはありません。

なので
それに飲み込まれないように
その思考が繰り広げるストーリーを
見守る眼差しを持たなければ
癒しは成功しません。

癒しが成功するために
もう一つ欠かせない作業があります。
それは
ただひたすらネガティブな感情を感じる事です。

傷付いた野生の獣のようにうずくまり
ただその痛みを感じ続ける。
呻いたり、時にはジタバタしながら
感じ続ける。

痛みは注目して下さいという
身体からのお知らせ。
それを存分に受け止める。
抱きしめるように受け止める。
僕の癒しのプロセスは、ただそれだけです。

その作業を続けていくうち
まやかしは消え去り
ありのままの事実と静けさだけが残ります。
戦いは終焉を迎え
安らぎがやってくるのです。

ところで先程、僕は
エゴは魔物のような働きをすると
表現しました。
エゴと戦うという表現もしました。
でも、エゴは敵ではないのです。
エゴは自分を守るための
重要な役割を果たしているのです。

ただ、エゴは
身体が自分の本体だと認識していて
思考活動を現実と認識しています。

思考活動を現実と認識している限り
エゴが自分自身だと認識している限り
真実に気付くことは
永遠にありません。

思考活動は現実ではなく
まやかしだと気が付くかどうか?
・・・そこが真の癒しが起こるかどうかの
分かれ道です。

 

自分には何かが欠けている?

潜在意識の領域で起こる癒しは
顕在意識レベルで
考え方が変わった!
という癒しとは、だいぶ違います。

自分が信じて疑わなかったもの
心の支えにしていたものが
まやかしだったと気付く・・・

これはエゴにとっては
死にも値する圧倒的な恐怖です。
エゴはそれを認めることを大変怖れます。

恐怖は恐怖でしかない。
ただのエネルギーです。

恐怖を美術館の展示作品のように
眺め、感じてみて下さい。

それをただひたすら感じ切り
受け入れた時
深い部分での癒しが起こります。

それは自分には片足がない
と信じ込んで
片足で生活していた人が
実は、両足あったことに気が付くようなもの。

あるのにないと思い込んで使わない
そして生き辛いと感じる。

そんな事に気が付くことなく
一生終える人は
この世に幾らでもいます。
実は僕も
危うくその一人になるところでした。

自分には何かが欠けている
という思いは
今の自分にない何かを獲得するための行動に
自らを駆り立てようとします。

でもそれは
たとえ一時的に成功しても
それが永続することはありません。
世界は諸行無常だからです。

真の癒しは
自分には何かが欠けている
という思い自体が、実はまやかしだ
と気付いていく事によって初めて起こります。

百鬼丸とは?

百鬼丸は
手塚治虫の漫画・どろろの登場人物。

戦国の世、
父親の野望実現と引き換えに、
48の魔物の生贄として、
全身48か所を失ったまま生を受けた百鬼丸は、
生後間もなく川に流されたものの、
偶然にも、寿海という医者に拾われる。

欠損部は寿海の特殊な医術により
義肢・義眼などで補われ、
あらゆる訓練によって
百鬼丸の運動機能は
健常者以上の能力を獲得するに至った。

しかし、その成長と共に
付きまとわれるようになった魔物に、
自らの生い立ちを知らされ、
奪われた48か所を取り戻すため
48の魔物を探す旅に出る。

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