僕の覚醒体験

20年間
医者にかかっても
一向に治らなかったアトピーを
自力で治そうと決意し
通い始めた気功教室。

そこの先生に教えてもらった
ナムカイ・ノルブ・リンポチェ著
「虹と水晶」
「ゾクチェンの教え」
そこには

全ての生き物は生まれながらに完璧
為すべき事、為さざるべき事、何一つない


と記されていた。
その頃の僕には
それが事実だとは
到底思えなかったが
もしそれが事実ならば
この世界はなんと素晴らしい世界だろう!
と思った。

そして
それが真実かどうかを
探るため
ゾクチェンを学びたいと思った。

その頃はネットもなく
翻訳者の永沢哲さんに手紙を書いたら
嬉しいことに丁寧なお返事が!
日本にいらっしゃる
ニチャン・リンポチェを紹介して下さった。

ニチャン・リンポチェに会いに行ったら
僕が求めてるものとは
違う感じがした。

儀式的・宗教的な事
サンスクリット語
チベット文化には
関心が湧かなかった。

もっと
それらを抜きにして
本質に触れる方法がある筈だ
という思いが何故かあった。

その後
広島県竹原市忠海にある禅寺
少林窟道場で
日常生活を送りながら思考を観察する方法を学んだ。
これなら
日常生活で体験する全てが
本質に触れるチャンスになると思い
明けても暮れても
夢中でそれに取り組んだ。

本質に触れたいという
驚くべき執着心が僕にはあった。
今から思うと
その執着心は
アスペルガーの為せる業だったようだ。

ともかく
禅寺から帰って
夢中で取り組んだその3か月後
僕は一瞥体験をした。

それは
近頃しばしば耳にする
「私は居ない」
という体験とは違っていた。

それは突然
頭の中心が眩しく光って
その瞬間
「自分に起こる出来事の全てが
自分の為に起こってくれていたんだ!」

という思いが一気に押し寄せる。
という体験だった。

今まで起こった全ての出来事
出会った全ての人に
感謝の気持ちが溢れて仕方がなかった。

それは夜明け頃
禅寺で知り合い
共に暮らしていた
女性の寝息に意識を合わせていた時
突然起こった。

僕は彼女を起こして
覚醒の体験を
涙を流しながら話したのを
今でもよく覚えている。

因みにその彼女も
僕の体験の1か月後に一瞥体験をした。

京都北白川にある
お気に入りのベジタリアンカレーのお店で
それは起こった。

良かったね。良かったね。と言って
ハグをした。

店主の方は
彼女がいきなり泣き出したので
何が起こったのやら
目を丸くしていた。

一瞥体験後
2週間くらいの間
何故か後頭部に
ずっと風が吹いているような
スースーした感じが続いた。

一瞥体験をした直後
自分は悟りを開いたのだ
と真剣に思い込んだ。

それは錯覚だったのだが
余りにそれを信じ切って
成り切っていたせいか
周りの人が
丁重に扱ってくれた。

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